僕ちゃんはお昼寝 3
僕ちゃんのお友達よね?、上品なお母さんから鈴の音が響いた。
僕ちゃん?、悪ガキ達はその新しい日本語を知らなかった、が、それが山の手君のことであることは分かった。僕ちゃん、そういう言葉が有るんだ、そういう言葉が飛び交う世界があるんだと、それも発見だった。
ごめんね、僕ちゃんはお昼寝なの!と、お母さんはのたもうた。
お昼寝!、悪ガキ達はその言葉も初めて聞いた、お昼寝って何だ!!、多分保育園や幼稚園に行って居たら、理解は出来たであろう、昼間睡眠を取ることであることは。
お昼寝だから、又にしてねと、お母さんは言葉にして居ないのだが、感の悪い悪ガキ達にも、それは分かった。いつも、僕ちゃんと遊んでくれてありがとうと、その目はささやいていた、そう記憶している。
悪ガキ達は、そろそろとその場を後にした、もう来ることはないのだろうなと、三人は思っていたと思う、人間は平等なのだが、そういう意味ではない何かが真っ直ぐに伝わって来たと感じた。
僕ちゃんはお~昼寝!!
ボクチャンはお~昼寝!!
と、三人は誰からともなく歌いながら、山の手の坂道を下って行った。
知らない世界って有るんだと、それを初めて知ったのでした。
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