水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

安芸助の夢

昔読んだ小泉八雲の短編だったと思う。



前回のウエストサイドストーリー、映画と時間と錯覚と、つまり体験時間の長さがあまりにも違うということを伝えたかった。社会の授業その50分は、何時間にも感じ、この映画は瞬く間だった。


面白いものは早く、詰まらないものは長く、それだけのことなのだが、どうもそれ以上の何かがあるような気がして成らない。例えば、寝てる時間の短さ、見ている夢の長さ等々考えていたら、表題の物語を思い出しました。



安芸の助は、大和の国の郷士(身分は高くない)、その安芸の助が昼間仲間と木の下で酒を酌み交わし、転寝をしてしまう。物語はこんな風に始まる。


転寝をした安芸の助が目を覚ますと、遠くに立派な大名行列がこちらに向かって来るのが見えた、その行列は真っ直ぐに安芸の助を目指して来たのでした。


途中を省きます。


安芸の助はその大名行列と共に、ある国に赴く、そしてそこのお妃と結婚をして、沢山の子供にも恵まれる(違っているかも)、そしてそこで23年間暮らすのです、その23年目に安芸の助の妻が病で死にます、そして、妻を葬っていると急に眼を覚ますのです。


その木の下で、安芸の助の脇で雑談をしていた仲間は、まだ雑談の最中だったのです。安芸の助は、自分が体験した23年のことを仲間に話します、そういえばと一人の仲間が言います。


お前の顔の辺りを、小さな蝶が飛んでいた、それがいつの間にか蟻の軍団に穴の中に連れて行かれたんだ。そして暫くするとその蝶は、アリの巣から出されたんだ、死んだ姿で。



この物語は面白い、この世ではたった数分のことが、この蟻の世界では23年を刻んでいたという。仲間の武士たちは、そのアリの巣を掘り起こしたとありますが、それは又の機会に。


やはり思う、時間とは何だろうと、それは人間が勝手に時を刻んだだけと思うのだが、どうやらそれだけでは無いらしい。特に、素粒子の世界では、全く違う現象が起きていると書かれている。


面白いですねえ、向こうの国へ行くと、こんなことも分かるのかなと思いました。


失礼しました。最近、水彩画ブログではなくなっています、すみません。