水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

人生とは何か 7

WHO MOVED MY CHEESE !


私共兄弟の会社のチーズは、土地でした。1980年代から90年代、土地は非常にバブリーとなり、東京の土地は上がりに上がったのです。


世田谷のある住宅街、ほんの15坪程の家が、一億円を付けたのには驚きを越えたものです。


この土地と言うチーズ、それは兄弟の父親が増やして来たものでした。


土地担保制、銀行が押し寄せて来て居ました、どうかお金を借りて欲しいと、大波が押し寄せて来たのです。


借りましたねえ、沢山、勿論それで仕事も出来たのですが・・・・、


☆山一証券が廃業、この山一に兄の友人も勤めて居ました。社員は出勤の朝にそれを知ったと、マンガのような話でした。



ある年、日本国中に悪夢が走りました、それが土地バブルの崩壊です。泡のように膨らんだ価格に、プチっと針が刺さったのです。その結果、土地価格は十分の一までダウンしました。


一坪3000万円の土地が、300万円となった、勿論300万円でも凄いですが・・・


銀行は一斉に回収に入りました、酷いものでした、それはそれは。


この年から日本は、大不況になって行きます。その景色は、例えば私共のお客様に現れました。ある日伺ったらお留守、それも一晩で誰も居なくなったとしか思えない、何故ならこの前の日に集金に伺っていたからです。


ごめんなさい、とお客様、明日集金に来て下さる?と言われたのです。


翌日に伺ったら、猫の子一匹居ないのです。家の廻りをうろうろしていたのは私だけでは有りませんでした。ガス屋さん、米屋さん、当時は現金決済が多かったのでした。



私共のチーズは消えました、消えたどころか、マイナスという負債に襲われました。手のひらを返すとはこのこと、代表の兄は、家も何もかも失いました、まるであのお客様のように・・・。



人生とは何かと、ここでも考えざるを得ませんでした。


WHO MOVED MY CHEESE !


これ、直訳すると、俺のチーズを動かしたのは誰だ!と成ります。チーズは何処に消えた、とはだいぶニュアンスが変わります。


泡のように膨らんだ価値を、俺のものだと思っていた私共兄弟、自分達の心を一度でも訪れて見れば、少しは事態が変わったのかも知れません。


その心は「欲」、欲望です。


それを心底教えてくれたのが、バブルの崩壊でした。



失礼しました。