水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

60年後のクラス会

そのクラス会に、僕ちゃんは来なかった。


幹事によると、何処に住んでいるのか分からないという。私はそっと、あの山門の家に行ってみた、その表札に、彼の名字は無かった、何処かへ引っ越したのだろう。


しかし、町並みは変わっていない、殆ど。でも、山門の脇の桜は大きくなっていた、60年と言う歳月は、確かに過ぎたんだと思わせられた。


山門の前は下り坂、その坂をあの歌を歌いながら歩いて行く悪ガキ三人が、見えたような気がした。


お昼寝って何だ!!


お前知ってるか?、知らないよな



そんな悪ガキ共の会話が聞こえる。


でも、あの鈴の音が聞こえたら、お昼寝も良いのかなと、ふと思った。


60年という歳月は、人の運命を変えるには十分な時間であろう、何処でどうしているんだろうか、山の手君は。