連帯責任だって
あれは小学校5年の時くらいでしたか、授業中におしゃべりが多く、先生が切れたのでした。
私はしょっちゅうバケツを持って廊下に立たされていたので、またかと思いましたが、その時は、そうでは有りませんでした。
男子は全員並べ!!と先生、三年までは女の先生でしたが、4年からは体育の男の先生に代わって居ました。あたふたと、全員が先生の前に並びました、歯を喰いしばれ!!と何処かで聞いたことのある言葉、ふと見ると先生は平手を上に挙げ、まさに叩かんという状態でした。
男子の数は30人くらい、当時一クラス58人くらい居ましたので、かなりの人数でした。パシパシっと音が聞こえ始めました、いってえ!!とか、あ~とか、色々な声が聞こえました、本当に叩いていると、私はぞっとしました。
もうすぐ私の番だなと思ったその時、先生は手が痛いと言いながら、履いているスリッパを手に持ちました。冗談だろ!!、先生本当に怒っているんだとその時思ったのでした。
すると私の隣の、山の手君2が、ブルブルと震え始めました。
パシパシ!!、スリッパで叩く音が聞こえます、隣の震えがひどくなって来ます。しかし今考えると、汚いし、乱暴だし、良くも父兄が怒鳴りこんで来なかったと思います。かなり先生は絶対だったのです、先生の天国だったかも知れません。
私のほっぺたに、スリッパが当りました、真っ赤な先生の顔が目の前です、お前が丁本人かと思うような先生の顔、参ったなあ、しかし痛い!!とほっぺたを押さえて居ました。
すると、隣から震えと共に聞こえて来た、それは鳴き声でした。山の手君2が、泣きだしたのでした、泣きだしうずくまりました。先生は我に返ったのでしょう、山の手君2に、スリッパを振るうことは有りませんでした。
問題は、女子がずっと見て居ると言う場面、しかし山の手君2は、そんなこともうどうでも良かったのでした。ただ怖くて、ただ恐ろしくて、同じか・・・、でも彼のお陰でその後の仲間は、スリッパから免れたのでした。
こういう時代でしたね、連帯責任って、兵隊さんと同じでしたね。先生はやりたい放題だった、でも、何故か皆、先生を嫌いでは有りませんでした。
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