妻の糠床
やはりこれについては、もう一度書いて置こうと思いました。
私共は41年前に結婚をしました、その時妻は沢山のものを新婚家庭に持って来ました。着物や洋服、その他沢山の装飾品も有りました。
妻は、大学の家政科で教えて居ましたので、多くの専門的な調理道具も有りました。
妻の専門は、洋菓子でした。勿論、普通の料理も教えていたようです。
その持ち込まれた沢山の嫁入り道具の中に、一つ変わったものが有りました。それは何重にもビニールにくるまれていて、それをタッパウエアという容器の中に入れて居ました。
それを妻は、非常に大事そうにして居ました。私は何だろうと思っただけで、その中身のことは聞きませんでした。
これは糠床よ!!と妻
糠床?、あの糠味噌のことか?
味噌ではないわ、糠床、母から貰ってきたのよ
その時はそれで終わったのですが、その糠床、今でも生きていて活躍しているのです。
妻が持ってきたものの多くは、この40年で様変わりしたと思います、洋服なんかいつまでも着てはいられませんね。
しかし、糠床は違いました。40年前に妻が持ってきたそれは、妻の母がそれこそ50年以上漬け続けてきたものでした。
糠を足して足して、様変わりはしてきたと思いますが、妻の母親が育てた菌は、生き続けて来たと思って居ます。
その糠床は今、私が管理して居ます。管理と言っても時折掻きまわすだけですが(笑)
少し暖かくなり、昨日胡瓜と大根を漬けました。やはり旨い!!、これを食す度にあの母のやさしさを思い出す私です。
当時、こんなやさしい母なら、妻はさぞかしやさしい母親になってくれるだろうと思ったのですが、あにはからんや妻は厳しい厳しい、祖母に似たようです。
なかなか上手く行きませんね世の中は・・・・でも、この糠床、もう90才以上に成ります、老舗の鰻垂れですね、まるで。
失礼しました。
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