水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

人生寂しいのは当たり前

日曜日の昨夜は、バレエ衣裳を集荷しに、東京文化会館に行きました。そこはバレエの殿堂ともいうべき劇場が有ります。


途中、東京タワーの脇を抜けて皇居前の通りに出るコースで向かいました。



今はもう、タワーと背を比べるようなビルが建ち、タワーの存在が孤高ではなく、兄貴に追いついた弟たちと共にという感じです。


そして皇居前の通り、ここの夜は荘厳と言いましょうか、右側の日比谷のビル群の輝きと左側の皇居の真っ暗な静かさが共鳴し、独特の空間を形成して居ました。


そして、九段まで進み、秋葉原から上野に入りました。このコースで行くと、西郷さんの銅像を遠くに望めます。


ここが東京かと思う程に閑散とした街が、上野の東京文化会館に近づくと、どこに人が隠れていたのかと思う程に、群衆の中と成りました。


★東京文化会館、上野公園側です。



私が車を着けたのは正面入り口ではなく、楽屋口です、そこには多くの業者さん達がごった返しておりました。


舞台が終わると、その舞台を裏から盛り上げてきた裏方さん達が活躍をします、これが最後の盛り上げですね。


その脇から、今日の主役達が着ていた衣装を掛けたワゴンが、続々と近づいて来ました。皆口々にお疲れ様でした!!と、声を掛けながら。


私は、この裏方さん達とはもう顔見知りで、挨拶を交わしながら、舞台はいかがでしたかなどと馬鹿な質問はしないのです。何故なら、彼ら、彼女らは、舞台を見るなんてことは出来ないからです。


口々に出る言葉は、これでお正月が来るかしら!!と、お互いをねぎらう言葉が交わされて居ました、本当にお疲れ様でした。


バレエ衣装は200着くらい有ったでしょうか、それらを積み込みながら私はその衣裳に向かって、お疲れ様でしたと言葉を掛けました。



その帰り道、ラジオから表題の言葉が流れて来ました。


亡くなったんだ、また素敵な人が、あの声はもう聴けないのかとハンドルを持つ手が、少し震えました。


人生寂しいのは当たり前、でも清々しく有りたい


そうだよな、そう有りたい、でも自分はどうなのだろうと、後ろの衣裳から香ってくるドーランと汗の匂いを受けながら、生きてるって、これなんだよなと思いました。


生きているって、匂い、香り、響き、自分を追い越して行く光、流れ続けるこの時間、そしてハンドルを握るこの温かさなんだよな~、


ふと、頭の中を彼女の朗読が響きました、市原さん、ありがとうございました。