水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

石川啄木の詩から

一度でも我に頭を下げさせし


人みな死ねと


祈りてしこと



啄木のプライドぎんぎんと思う詩です。


この詩を、あの林先生が絶賛して居ました。見事な三行詩と、
先生は、詩の内容よりも、詩の作り方に感動したようです。



私は思いました、この詩を観て思ったことです。


それは本音と本当の心の在り処の違いです。


これ表面的には多分、啄木の本音でしょう、この俺に
頭をさげさせた奴を許さない!!と。



でも、一方に流れている何かを感じるのです。


この詩の底の方に流れている何か、それは啄木の心の在り処
ではないかと。



それは彼のやさしさ、私はそう感じました。


それは、この詩に現した心の動きです、三行目の
言葉に私は思ったのです。


祈りてしこと、です。


これは、本当の心の在り処、そのものと感じました。



たはむれに 母を背負ひてそのあまり 軽(かろ)きに泣きて三歩あゆまず


あまりにも有名な詩です。


母親は、身体の弱かった啄木に少しでも元気になって欲しいと、自分は肉を
食べなかったと。


その母を想った彼の詩は、彼の、心の在り処そのもの、何と切ないのでしょう。


享年24歳、短すぎる一生でした。