水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

人生とは「ザリガナ」

昔昔、ボンドガールとして活躍した、浜美恵さんの
座右の銘です。


正確には、女の人生はと、女が付きますね。


以下は彼女の言葉です。



私の宝物のひとつに、与那嶺貞さんの花織の着物がある。
ご存知の方も多いと思うが、貞さんは、琉球王府の美の
象徴であり、民族の誇りでもあるこの花織を、見事に、
復元した女性である。


★与那嶺貞さんその人です(ネットより)、良いお顔、刻まれたシワも
何もかも、こう生きたいと思わせられました。



私は、民芸を訪ねる中で、彼女と出会う幸運に恵まれ、
以来、ことあるごとに、お訪ねさせていただいたのだった。


彼女の人生は、多くの沖縄の女性と同様、過酷なものだった。
第二次世界大戦で夫をなくし、自分は銃火の中を三人の
子どもを抱えて逃げまわられた。


終戦後、女手ひとつで三人の子どもを必死で育てられた。


そして、その子育ても終わった55歳のときに、貞さんは
古い花織のちゃんちゃんこに出会ったのである。


琉球王府の御用布であったにもかかわらず、
工程の複雑さ、煩雑さから、伝統が途絶え
てしまった花織だった。


★チャンチャンコから復元された、花織の生地です(ネットから)



その復元を決意した貞さんは、幾多の苦労を経てなしとげ、
ついには人間国宝となり、2003年の1月に94歳でその
生涯を終えられた。


今も、ふとした折に、私は貞さんの口癖を思い出す。


「女の人生はザリガナ。だからザリガナ サバチ ヌヌナスル イナグでないとね」


ザリガナとはもつれた糸。ザリガナ サバチ ヌヌナスル イナグは、
もつれた糸をほぐして布にする女性のことだと、聞いた。


貞さんのこの言葉と、その生き方に、私はどれほど励まされてきたことだろう。
根気よく糸をほぐすためには、辛抱も優しさも必要だ。そればかりではなく、
ほぐした後にどんな織物を織ろうかと、未来へつなぐ希望も感じられる。


辛抱、優しさ、希望のすべてが含まれたこの言葉は、
今の世の中にもっとも必要な教えのひとつではない
だろうか。



この言葉を聞いた時、私は唸った。これ以上の言葉は無いと。


失礼しました。