水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

掃除 2

私は、三日目には逃げ出そうとして居ました。


敵わんと思ったのでした、とても自分の今までの常識では
考えられない人々の姿に、参っていたのです。


基本、寮生活、二人で一部屋です。


同室の彼は、物凄くやさしい?男で、良い感じだったの
ですが、最初の晩彼は帰らず、私が仕事場に向かって
から帰って来たようなのです。


朝は5時出勤でした、ですので彼はその後に帰って
来たのでしょう、帰って来たことを聞き私は
一度寮に戻りました。


そうしたら、無残な彼の姿と対面することになった
のでした。


顔中包帯だらけ、肘にも、膝にも、包帯でした。かろう
じて話せるらしく私はおそるおそる聞いたのです。


どうしたんですか?と


野菜党さん、面目ない、こんな姿を晒してしまって、
野菜父さんと一緒に入ってきた彼とやったんです。


(一緒に入ってきた彼とは、たまたま同じ日に入って
 来た青年です)


私はぼーっとしているのでしょう、その匂いを嗅ぐ能力は
ないのでした、その能力とはヤンチャな者同士の匂いです。


俺が一番とライオンのように岩の上に立ちながら、変な
やつが入って来ないか鼻を利かせるのですね。


私には分からなかったのでした、一緒に入ってきた彼が、
空手の猛者だったことを


それを同室の彼は嗅ぎつけて、夜呼び出したのでした、
学園は夜の天国でした、それは恋人たちの天国でもあり、
そうやって、呼び出し、一戦交えるのにも好都合でした。


空手でボコボコにされたんです、それは惨めな姿でした。


私は掛ける言葉も失い、一方で、荷物をまとめ始めた
のでした。


これは駄目だ!!と


大怪我をした同室の彼は、炊飯の長でした、ただでさえ
起きない彼、翌日から1000人前のご飯を炊くのは、
私一人となったのです。


一日しか教えて貰えていないのに、飯炊きだなんて、
なんだこの職場は?と


あ、いや、二人でした、そう空手の彼も、炊飯でした、
妙にいいやつで、でもその拳は真四角で凄かった!!
これにやられたんだ、と


そういえばグロック塀に正拳入れてたっけ、あれ、冗談じゃ
無かったんだと、自分のアホさも知りました。



続く・・・・、