水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

死を見つめる心 1

本棚を整理していたら、こんな単行本が見つかりました。まあ、いかに本棚を整理して居なかったのかの証明ですが。


「死を見つめる心」、岸本秀夫著、1960年代の単行本です。これを買い求めた記憶はないのですが、私が買ったものに違いありません。



誰か先輩に紹介されたのかも知れません、買ったのは多分二十代の頃、この頃に私自身が死を意識していたなんてことは有りません。


私は二十代の頃、結構宗教関係にも興味を持って居ました、キリスト教、仏教、そして新興宗教にもです。何故、こんなに宗教に惹かれる同世代の若者がいるのだろうと、疑問を持っても居ました。



当時のある仲間が、ある有名な宗教団体の視察に行くとはしゃいで居ました。そして彼はその宗教団体に行ったのでした。そこは当時、芸能人が多く入信していることで有名な団体でした。


彼はその面接風景を克明に私に語ってくれました、そして彼は大いに影響を受けて居ました、驚いたのです。


何でこんなことまで知って居るのか、俺は初めてここに赴いた訳で、俺のことは何一つその面接官は知らないはずなのに・・・・、


それは、貴方の富山のお墓に、誰もお線香を上げに行っていない、お墓は荒れ放題、だからそのお墓に貴方が参って下さいと、それで貴方の運命は好転に向かいますよ、そんな指導だったと語ってくれました。


私 富山にお墓があるの?


彼 調べたら、お袋の親、つまり祖父のお墓があるらしい


私 知らなかったんだ


彼 全然!!


私 どうするんだ


彼 行ってみるわ、せめて花でも手向けられたら



自分が知らないことを、赤の他人が知って居た、これって彼にとっては大変なショックだったのです。彼は正直な男、聞いた私も驚いたのでした。


霊能者、その宗教団体には、この霊能者と呼ばれるメンバーが沢山そろっている、彼は冷静で客観的な男でしたが、大いにこの団体に興味を持ち始めたのです。




「死を見つめる心」、この本を紹介する為に、何故か正反対かも知れない友の体験を紹介しました。


当時、スタンフォード大学の教授で、宗教学者でも有った岸本秀夫氏は、ある日自分の首の下にしこりを発見するのでした。


そしてそのまま病院へ向かいそこで、死の宣告を受けるのです、余命半年と・・・、


ここから始まる彼の格闘、それは多くの宗教が教える来生とか、生まれ変わりとか、そういうまやかしのようなものを全て否定した、ある意味でかろやかな生き方なのでした。


彼は言います、来生とか、生まれ変わりとかそんなことを自分が信じられれば、どんなに自分の人生は不安から遠くなったことだろうと、でも、それは私の知性が許さなかったと
、そしてだからこそ、「死とは何か」、生とは何かと、考え続けられたのだろうと。


この本の内容を、これからこのブログを借りて、現して行きたいと思いました。


霊能者が間違っているとか、この岸本氏が正しいとか、そういうことは考えずに、余命を宣言された一人の人間が、その後どのように生きたのか、それが重要と思いました。



失礼しました。