水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

過去は変えられないが  届いた年賀状

今の生き方で、過去の見え方が変わる、と。


これはあるドラマの中の言葉だと聞きました。


過去は変えられない、それはそうだろう、過ぎた日々を
呪っても仕方がないし、それは変わることは無い


逆にあの栄光をもう一度と、話してまわられても迷惑なことだろう。



私がいつも思い出すのは、今の会社の前身となった会社の倒産劇です。
その時私は平社員、しかし立場は、経営者の弟でした。


その平社員の私が、新しい会社を創業し、倒産した会社の職人さん達
と共に、生活の継続を目的に動き始めたのでした。


荒波、荒波、そして荒波、職人さん達は、倒産させた社長の弟を
許すことは無かったのです、放蕩の兄弟達というレッテルは
剥がれることは有りませんでした。


でも今は思うのです、それで良かったのだと、今、その職人さん
達は居ません。


25年前、もしあのまま彼らが路頭に迷うだけだったらどうだったのかと
、彼らは好むと好まざるを得ないまま、大変不服な新会社で
働き始めたのです。


その時の苦しみ、恨み、憐憫を想うと、今もただ申し訳なく
思うのです。


もしあのままと思う心、でもあのままでは無かった、少しでも
新しい会社で、人生のソフトランディングが出来たのではないか、
もし一人でもそのように思ってくれる職人さんがいたらと


そうしたらこのコロナ化の中、一通の年賀状が届いたのでした。


言葉では何も言えないまま、あなたと別れてしまったと、捨て台詞
も吐きながら別れてしまったことをお詫びしたいと、


そして「ありがとうございました」と結ばれて居ました。


私の瞳からは、雪解けの水のように止めどなく流れる涙と共に、
心の片隅に木漏れ陽が射したのでした。


彼も、何かのきっかけで過去の見え方が変わったのだろうと、
ふと思えたのでした。



過去は変えることは出来ない
しかし、今の生き方で過去の見え方は変わる、と