水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

出生前診断  水彩画

NHKで特集していた、出生前診断とは?と


それを見ながら私は、38年前を思い出して居た。


ある日長い手紙が届いたことを
小学校の友人からでした、三人目の子供を授けられたと
その喜びが先ず書かれていた


そして、上の二人が余りにも可愛いので、もう一人欲しい
と思い、三人目を授けられたことが綴られていた。


しかしその子の様子がおかしい、上の二人のような成長を
していないことに気付き、病院を訪ねたと


ダウン症、そんな診断を受け、それからはよく記憶を
していないような生活を続けた、ショックが大きかった
からと


バッシングが始まった、親戚連中からのバッシング、それは
彼の奥様に集中したのです、〇〇の血には、そんな血は
流れていないと、あんたがそんな血を持って来たんだ!!


と、同じ人間とは思えない言葉だった


その綴られていた言葉を読みながら私は、手紙に返信する
ことは出来なかった、でも、久しぶりにあいつの所に
行って見ようと


モモちゃんで~す、輝く命、この世の命は全部輝いている、そう感じます!!



何故か生れた兄妹達とは違う命、それはそれから10数年の時間が
答えをくれた、という


彼は(ダウン症の子は男の子)コーちゃん(こー助くん)と
名づけられ、お兄ちゃんとお姉ちゃんに手を繋がれて
小学校へ通っていた


学校から言われたという、上の二人の兄妹が協力してくれるなら
この小学校で受け入れることが出来る、そう言われて、
家族会議をしたのだと


お兄ちゃんとお姉ちゃん、自分たちがコーちゃんを守るから
と、その時彼は滂沱の涙だった


あれから38年、彼は言う、あの時うちは家族となったんだと


コーちゃんは、その為に生れて来てくれたんだと、本当にそう
思うんだと


18番目の染色体に異常が見つかる、それが分かるとその子は
ダウン症って、分かるという、


だから今は、物凄い数のご夫婦がそれを受けていると、世界中に
それは広がっている、彼ら夫婦に聞いた、


その頃に出生前診断があり、それを受けて、染色体異常が分かったら
産むか?と


奥様は言う、分かったら産まないだろうと、でも、分からなかったから
良かったと、分からなかったから産めたんですと、


だから出生前診断がもしその頃に有ったとしても、受けなかった
でしょうと、


私は思いました、その奥様のお顔を見ながら思ったのです。


慈母観音が目の前に、と


そう私には刻まれました


NHKはどう結論づけたのか、これは結論づけられるようなことでは
ない、だから聴視者に問う、という形で終わっていた


私の友人のように、お蔭で「家族」となれましたと言えることは
少ないのかも知れない、



しかし、このような過酷な運命以外に人生には様々な問いの雨が
降ってくる、その時傘を差すのか差さないのか、


何が有ろうと、所与を正受するのか、選択するのか、それもそれぞれ
だろう


私は思う、雨が降ったら傘を差しながらそっと左手の平で雨を
感じたいと、そして多分、その次は全身で雨を感じたいと
思うだろうと


中途半端で物怖じする自分、でも、楽な選択はしたくない、
そう思うのです。