水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

人生の分水嶺 待合室での出来事  水彩画

先日の一カ月検診、その時も待合室はご同輩で
一杯だった


長い事通っていると、そのお一人お一人の表情で
抱えている病の重さが分かる


ふと、遠くを見ると、車いすに乗ったご先輩、その車いすを
やさしい笑顔で、私の娘くらいの齢の女性が押していた


何度も何度も内容は分からないが、車いすのご先輩に声を
掛け続けるその女性のやさしさ、それだけが
届いてきた。


車いすは、私の座っている椅子の隣に止まった、そして
椅子にブレーキを掛ける女性、その途中でもずっと
話しかけていた


☆秋ですねえ、葉っぱもその一生を終える時、美しい色と成りますね(*^_^*)



すぐ隣での会話が聞こえてくる、何故か耳をダンボにする私(笑)
そうか!!と思ったのです、やはり娘さんだったのかと


ご先輩はずっと本のようなものを読んでいるのか、いや、読んでは
いない、ちょっと苦しそうに時折顔をゆがめている、痛みが
身体に走っているのかも知れないと、



娘さんが、ちょっと失礼と、車いすから離れた、ちょっと失礼とは
私に向かった言葉だろうと思ったのだが、何をどうすることも
出来ない、ただ車いすを見守る私でした。


その内に、診察室から看護師さんがお出ましになり、車いすを診察室
に入れようとし始めました、何故か私に合図を送りながら


私は関係者でも無いのに、それを手伝い、娘さんはちょっと席を外されて
いることを伝えたのです、何だろう、これはと思いながら


その内、娘さんが戻って来られて、???という表情、それはそうでしょう、
車いすが居ないのですから、


私は彼女に、診察室の方を指さしました、


満面の笑顔を私に向けられた彼女、そしてそのまま診察室の人と
なりました。


診察室から出て来られ、お礼を言われ、彼女とお父様はそのまま受付けに
向われました、多分入院の手続きなのだと思いました。


もうお母様はいらっしゃらないのか、考えても分からない想像をしな
がら私は、その自分の娘くらいの彼女にエールを送っていました。


人生の分水嶺、それを感じながら必死で看病をして来たのであろう、それは
これからも続くのだろうが、必ず訪れる永遠の別れもチラつくに違いない


でも、何が過ろうと、今はこの父に必死で関わろうとしている彼女の
その姿に私はちょっと感動していたのです。


やさしさこそ愛、精一杯の愛、それに多分全力で応えようとしている父親、
これ以上美しい景色があるだろうかと


この束の間の出逢いを歓迎していた。


人生には分水嶺がある、生き方を問われる時が、その時何を選択して
生きるのか、それをまざまざと見せられたような、


そんな気がした(ー_ー)!!