水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

ここだけ昭和 そしてやさしさ

旗の台という駅、池上線と大井町線が交差するなかなか賑やかな駅です。


予算の関係か、大井町線のホームはすっかり整備されて居ますが、池上線のホームはそのまま昭和が残されている感じです。


その代表がこのホームに横たわる木製のベンチ、長さが10メートルくらい有ります。



何時頃出来たのか、多分昭和の30年代か、木目が古い旅館の廊下のようにピカピカなのです。そして何処かやさしいのです。


面白いなあ、何がって、このベンチ深く座ると足が下に届きません。実に良い設計に見えるのですが、身長170センチの私の足が届かないのです(特別に短い!!)。


昭和30年代、私より身長が高い人が、わんさか居たとは思えません。女子高生が沢山座って居ましたが皆、足をブラブラさせて居ました。



今日はいつもの癌の治療ではなく、ヘルニアの検査に来ました。泌尿器科は四階、外科は3階です、しかし患者の数は泌尿器科の比ではありませんでした。


やさしい先生でした。


ふと思いました、このやさしさって、苦しいのかなと。


私が、ヘルニアの奥に大きな癌があることを告げた時、明らかに先生の目が深く成りました。先生は私の画像をパソコンに映し出し、そして言葉少なに言いました。


泌尿器科の先生に良く話を聞いて、進めて行きましょうと


そして先生に頭を下げながら、カルテを書かれている後ろ姿を垣間見た時思ったのです、先生は池上線旗の台のホームのベンチのようだなと。


先生を見て、何故か安心している自分の心、そうか、あのベンチと先生の姿をダブらせているんだと思ったのです。


失礼しました。