水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

カラオケに行くのはもったいない

先日、30数年前の仲間たちと、交友会が有りました。


メンバーは5人、何十人も居たのですが、30数年過ぎて年に数回逢う仲間は、そんな人数と成りました。


とめどもない話題ばかりなのですが、実に時間が過ぎるのが早く、あっと言う間の4時間でした。


65歳から74歳のおっさん達、何をそんなに話すことが有るのかと思うのですが、話材は尽きません。



74歳の先輩が、こんな話を始めました(彼を私はタンポポさんと心で呼んで居ます)。



タンポポ 先日からさあ、もう一つ働き始めたんだ、ホームの運転手の募集を見たんで、
     応募したら直ぐに来てくれって言われて、始めたんだ。


私    お身体は大丈夫なのですか?


タンポポ うん、身体だけは丈夫なんだ、頭も周りは丈夫なんだけど(笑)


そんな話が始まり、彼は言うのです、男の老人に元気がないんだと。そしてこんなことを
始めたんだと・・・・、


自分は運転手なので、運転だけやっていればよいのだけれど、いつしか「声掛け」をするようになったんだ。なかなか家から出て来ない老人に、声をかけ続ける、そうしている内に少しづつ変化して来るんだと。


ある日その老人にこう言われた、何で私のことをそんなに心配するんですか、心配には及びませんよ、と。それに対して先輩はこう応えたと・・・・、


「心配なんかして居ません、ただ貴方を愛してるんです」


私は言いました、良くそんなことを!!と、そうしたら先輩は、いや自然にそんな言葉が出てしまったんだ、何も考えてはいなかったんだと。


愛しているんですと言われた老人は、キョトンとしてしげしげと先輩を見つめたそうです、そして何故か素直に家から出てきたとのことでした。



私が心の中でその先輩を「タンポポ」と呼ぶのは、そういう態度のことかも知れません。タンポポは、崖の途中でも、岩の間でも、種が落ちた所で咲きます(タンポポでなくても咲きますが)。


74年間をそうやって生きてきた先輩と話をしていると、何だか自分も、生きて来て良かったなあと、思えるのです。



そういうば昔昔、私達が30代の頃、新宿には多くのホームレスが生活して居ました。ある日仲間たちと、その生活空間の横を通り過ぎようとした時、先輩がおりません。


さて何処へと思い、ホームレスが集まっている空間を見ましたら、そこで談笑している先輩を見つけました。先輩は、そんな人です。



カラオケに行くのはもったいない、この仲間と集まると私はいつもそう思います。密度の濃い話の一つ一つが、仲間たちをいつも、人生の憩いに誘ってくれるのです。


愛してるんです・・・・何て、言葉に照れてしまう、何を言おうかと考えてしまう私には、とうてい出ない言葉です。


失礼しました。

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