水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

たまには仕事

シルクの高級ブラウス、お客様が洗濯機で洗ってしまったと、しかも単独ではなく他の品物と一緒に、結果「移染」がおきてしまいました。


これをクリーニング屋がやれば、大変な責任です。


ご覧の通り、あちこちに色が飛んでいます、これを落として欲しいとのご要望でした。


移染とは、一つの染色された状態です、つまり染まった色を、その色だけ取って欲しいという無謀なお願いでも有ります。


さて、どうするのか、これは多分色が移動したばかりなので、染料は表面についているだけと判断しました。もし糸の奥まで色が入っているような場合は、取れないでしょう。



バケツ以外のところが汚くてすみません、このバケツにはアルコール系中性洗剤とアンモニアが少々、そしてお湯ですが、温度は90度以上の状態です。


これは中性洗剤の界面活性力を使った移染処理です、界面活性力が移動した色を吸着するのです。これは汚れを洗剤が取り去るののと同じ原理です。


ただ少々コツは必要ですが(笑)



いかがでしょう、綺麗に成りました(ほっ)


化学の力を借りるのがクリーニング、大げさにいえば神様の力を借りて居ます。


移染して、しばらく時間が過ぎたものは、難しいですね。



クリーニングを何十年もやってきて、こんなに奥深いものかと今更驚いています。メーカーはどんどん新しい繊維を産みだし、新しい縫製をし、後はクリーニングへどうぞと、勝手です。


でも、文句を言っているばかりではダメですね、何とか経験を生かしながら、化学の力をお借りして、より良いクリーニングを目指す日々です。


失礼しました。