水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

少年とコロ

寄り添うとは、いかなることか、それが如実に現わされていると思う物語を紹介したいと思います。


うる覚えの所もあり、原文とは違うかも、お許し下さい。



少年は、犬が大好きだった。そして少年は、コロという雑種犬を飼っていた(今は、飼うではなく、共に生活するなのしょうが、ご容赦あれ)。


コロは少年が大好きだった、そのコロの素振りを観ればそれは一目瞭然だった。


でも少年は、コロよりも散歩の途中ですれ違う犬が欲しかったのです。それは血統のはっきりした、いわゆる高級犬のコッパスパニオールが欲しくて欲しくて仕方が有りませんでした。



ねえねえ、お父さん、コッパスパニオールを飼いたいんだ!!


お前には、コロがいるじゃないか


でも、コロを散歩していても、誰も振り向かないし、何だか面白くないんだ
でも、買ってくれれば、コロも可愛がるし、勉強もするよ、ねえお父さん!!



そして少年は、待望の犬を手に入れました、毎日毎日浮き浮きで、散歩をしていても何か誇らしかった、少年はコッパスパニオールに夢中になったのです。


結果、コロは無視されました、コロは寂しくて仕方が有りません、でも、ご主人の気持ちがあちらへ行ってしまったのですから、コロは、いつの間にかその場から居なくなったのでした。


少年は、コッパスパニオールに夢中の余り、勉強もおろそかになり、そしてコロのことも忘れて居ました。


そんなある日、事故が起きたのです、あんなに可愛がっていたコッパスパニオールが死んでしまったのです。少年は自暴自棄となり、何も手につかず、我儘放題と成りました。


お父さんはそんな態度に大激怒し、少年を家の外の小屋に閉じ込めてしまったのです。反省するまで、出してやらないと・・・・、


少年は一晩中、小屋の中で泣きました、泣いて泣いて、そしてウトウトした時です。


何やら、気配がします、それは命の気配とでも言いましょうか、薄明かりの中見渡してみると、ほんの直ぐそばにコロが座っていたのです。


コロ!!、コロだ、こんなところに居たのかいコロ、ごめんよコロ、僕はコロのことを忘れていたよ、と。


コロは、クゥ~ンクゥ~ンと鳴きながら、そのまま少年にすり寄りました、まるでそれは、少年を抱く母親のようでした。


おしまい



犬が、老人ホームのご老人達を癒すことは、多く知られて居ます。犬はだまって寄り添うことが出来るのですね。


少年は、何よりも大きく大切なことに気づいたのだと思います。それは、無条件の愛のようなもの、裏切られて裏切られ続けたコロですが、そんなことは大したことではないと言いたげなコロの愛に、癒されたのでしょう。


もしかしたら、人間だけかも知れませんね、寄り添うことが苦手な動物は・・・・


長文失礼しました。