水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

検診結果

あっけないものでした。


転移はありませんね、骨にも内臓にも・・・・・、と、


パソコン画像を激しく上下に動かしながら、先生はのたもうたのでした。



この三年間、脅されて来た私、もちろんそう思ったのは私自身です、先生は脅すつもりなんかありません。


余命は2年ですよ、寛解は無理です、手術も出来ません、放射線も駄目ですと言われ続けて来た私でした。


先週は、〇〇さん、新しい薬は条件がありその範囲が狭いので、一度レントゲンを撮りましょうと先週の木曜日に、CTと骨シンチというややっこしいレントゲンを撮りました。


それから実は、もし転移していたらどうしようか、転移していたらその後の成長のスピードは速くなると聞いていましたので。そうなると、会社の再生から離れねばならないかと思ったり、茫洋とした不安に襲われ続けた4日間でした。


いくら患者が沢山いても、それへのねぎらいは無いのか!!と思ったのですが、先生はどうやらその次元には住んでいないようでした。


★診察のあと、このような数値表をいただきます、真ん中辺りに(PSA)とありますね、4.000と書かれて居ます、この範囲が正常ですよという数値です。



でも一方で先生の言葉の微妙なニュアンスを私は感じました。


この病は、PSAという特異抗原の数値で計ります、通常人は0~4の間で、それを越えると何らかの病を疑われます。PSAは、その多くが癌から出る分泌物のようなものです。


この数値が7を越えると、癌が疑われ80%くらいの患者に癌が見つかります。10を越えると、癌は前立腺に留まらずに浸潤を始めます。リンパに浸潤したり、ソバの膀胱に浸潤、直腸浸潤もあります。こうなると大変です、でもまだこの段階では治療法は有ります。


もし20を越えたら、それは骨への転移(骨転移はもっと少ない数値でも有り得ます)を疑われます、そして50%くらいの人に骨の転移が確認されます。まれに、100を越えるような患者が居ます、これは間違いなく全身転移となるのです。


私の兄は、この100越えでした、転移は全身に及びました。



何故先生が、ちょっと違ったニュアンスの表情をされたのか、それは私の数値によるものと感じました、おかしいなと、10人十色とはいうものの、何故なんだというお顔です。


その私の初見数値は何と425でした、100越えの4倍で、これは有り得ない数値なのです。全国レベルでは稀におりますが、殆どの方は、数年内で他界されて居ます。


425というPSAを発する癌の大きさはそれはそれは立派です、先生は自慢げにおっしゃいました、貴方のは80CC有りますからと、自慢げにです(笑)


普通は20CCなのです。つまり前立腺の大きさは普通20CCで、80CCということは60CCが癌そのものだということなのです。


その80CCが、そこに留まりおとなしくしているって、こんなことが有るわけがないと、先生は心の中で叫んでいた、きっとそうだと思いました。


そう思ったら私は、勝ったあ!!と思ったのです(何を勝ったのか分かりませんが)。


そうでも思わないと私は、椅子を蹴飛ばしていたかも知れません。



でも心の底では、ああ良かったと思っていました、ほっとしました、これで新しい薬を使えるのです。


世の中には常に例外がある、その例外に成りたい、寛解も有りえる例外に・・・、


無理・・・・かな。


ご心配いただいた方々、こんな結果です、ありがとうございました。