水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

一か月検診、待合室の風景

今日は、病院主治医による一か月検診でした。


一か月検診と言っても、血液を採られて、それを分析した
データを主治医が観ながら、まだ大丈夫ですねとか、ちょ
っと上がりましたねとか、言われるだけのものです。


今日も同じようなものでした、でも一言有りました。


それは二つのことです。


一つは、圧迫骨折のことです。


大変でしたねと言われるのかと思ったら、歳なんだから、
ただでさえ骨が柔らかくなっているんだから気を付けな
い、と。


一つは今のホルモン剤のことです。


ホルモン剤は、続けているといつか効かなくなります、
人によって違いますが、効かなくなってしまうんです、と。



はい、次の人!!と、大変混んでいる大学病院の先生、その人
の人間性にもよるのでしょうが、何だか回転ずしでレーンに乗
って回っている寿司のような気分でした。


でも、薄っぺらな愛で包まれるよりも、こんな流れ作業の方
が良いかなって、思うことも多いです。



という訳で、数値は上がらず、これからも今の療法を続けること
としました。



診察を受けて、待合室に戻ってきた時、ふと横を見ると、高齢の
ご夫婦が何やら話をして居ました、よく見ますとご主人の頬には
涙の跡があります。


聞くとはなしに聞こえて来る声、それは末期の膀胱がんのことでした。


さもありなん、でも、素晴らしいなあって思ったのです。それは、
奥様の様子でした。ずっとご主人の手を握られていて、大丈夫よ
貴方、私がついているからって、


繰り返しているのです。


それがおざなりな言葉でないことは、よく伝わって来ました。


人の愛って、いやおうもなく伝わってしまうのですね、それはどうしようも
なく伝わるもの、そこに何の演出もないのです。


ご主人もとうにそれに気づいていて、でも自分に起こっている現実に
我がままを言っている、私はそう感じました。


ご夫婦は、そっと席を立ち、奥様がしっかりとご主人を支えながら、
待合室を出られたのです。


私もふと気づいたら、涙が滲んでいました、愛って素晴らしいなって、
思ったからでしょうか。