人の為とは、心を添えること
人の為は「偽」りと、漢字は教えて居ます。
でもそうだろうか、関係の中で生きている
私達の心の矛盾がここに在ると。
嘘をつくな、お前は人の為なんて少しも思っていないし、
誰も同じようなものさって。
でもひるがえって考えると、私達の経済活動は全部、
人の為に動いた結果です。
心の中はともかく、みんな人の為に動いて糧を得て居ます。
★渋谷宮益坂、この先を左折すると、渋谷ヒカリエがあります、シアターオーブはその11階です、夕方のやさしい光が街を覆って居ました。
昨日シアターオーブという渋谷ヒカリエにある劇場に、
衣装納品に伺いました。
衣装担当の女性たちが、クリーニングされた衣装を、
一点一点確認、表情は真剣です、この時間が一番緊張します。
無事納品出来ますようにと、ようやく、納品が完了しました。
彼女達はまさに人の為に働いていました、
この公演が成功するようにと、この衣裳を着て、
頑張って欲しいと、その結果彼女達は糧を得ます。
だから人の為って、自分の糧を得るための
活動じゃないかって思うのですよね、ああ嫌だ嫌だと、
俺は人の為なんかとは思わないよって、
人なんかどうでも良いからと、本音をチラつかせます。
でもなあって、彼女らを見ていると思うのです、
何でこんなに生き生きと働いているのだろうかと、
私は彼女らに帰り際伝えました、成功をお祈りして居ますと、
頭を下げながらお伝えしました。
そうしたら彼女の瞳が潤んだのです、
そして反対に「いつも良いお仕事ありがとうございます」
と言葉が返って来たのです。
今度は私の目が潤む番でした。
ああそうなんだと私は理解しました、
彼女らは、表舞台に出ている役者さん達に
「心を添えて」いるんだと、人の為に生きるのは当たり前、
それは糧を得る為だ、がと。
でもその上に心を添えるとどうなるのか、
多分そこには「生きがい」が生まれるのだろうと。
人の為に心を添える、それは糧を得る為だけではない、
人としての在り方、美しい姿があると私は心動かされました。
私達の日々の活動は全部、人の為です、そうでないと
糧を得ることは出来ません、衣裳を整えて役者さん達に
提供する、これも同じと思います。
でもその上に心を添える、それだけで仕事の意味は俄然変わって
来るんだと、私は教えられました。
人の為は「偽り」、なのではなく、そこに心を添えられない活動は
偽りなんだと理解したのです。
心を添える生き方、良いなあって、思った瞬間でした。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。