水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

パートさんの病 憂いの瞳

「千峯雨霽露光冷」
これは・・・・・、


「雨が上がったばかりの見渡す限りの峰々。太陽の光を浴びて沢山の露が輝いている」



この、もともとあった大燈国師の漢詩に、白隠禅師があとから付けたしを
した。



千峯雨霽露光冷(せんぽう あめはれて ろこうすさまじ)


君看双眼色(きみみよ そうがんのいろ)
不語似無憂(かたらざれば うれいなきににたり)


ネット上のあるサイトの訳を引用します。


あんなに激しく降っていた雨が上がったよ
辺りを見回してみると山々の木々に、そして足元の草に
雨上がりの露が無数に光り輝いている


ほら、君も誰かの双眸を見てごらん
何も言わなければ憂いなど知らないようだろう
けれどそこに光り輝く瞳があるのなら


それは憂いの涙を流した証拠なのだよ


その悲しみを知るから光り輝くことが出来るのだから・・・


君看よ双眼の色 語らざれば憂いなきに似たり


雨上がりの大自然の輝きと 双眼の色
じっと耐えている内に澄んで来る目の輝き


大自然の振舞い、語らい、と同じではないのかと





先週の中ごろ、パートさんが報告に来ました。
(前にちょっとブログに載せました)


金曜日から、抗がん剤の治療に入ると決めましたと・・・、


本当に申し訳ありません、その為に身体の調子次第ですが
出勤が難しくなるかも知れませんと


彼女に乳癌が発見されたのは、今年の正月明けでした、しこりを
感じ始めたのは昨年夏前、これは~と思ったと


先輩のパートさんが乳癌になったのが、一昨年でした、そのことを
思い、自分も~と思ったが、それを否定し続ける自分が居たと


まさか、という坂が、自分にも来たんだと、でもそう思いたくないと


彼女は若い、お子さんは三人で、まだ一番上が中学生です。



そっと先輩のパートさんに相談をされたのでした、そして直ぐに
聖マリアンナ病院に赴きました、まさかが現実になったのでした。


それもかなり重いことも分かったのです、ふさぎ込む日々が
始まったと、今まで他人事と思っていた病に、自分が掛かった
ことをなかなか受け入れられないと語ったのです。



そして時が流れ、彼女は決意をしました、治療に専念しようと
決意したのでした。


先ずは抗がん剤治療でした、何故に直ぐに抗がん剤なのか、
それは癌が大きく、普通のホルモン療法では間に合わない
と診断されたから


抗がん剤で、癌をたたき、少しでも小さくしましょうと、そして
出来れば手術をというのが指導だったのです。



子供達の為に、少しでも生きたいと思いましたと、報告するその
憂いさえ感じる瞳は、澄みきっていました、
まるで嵐の後の、静寂のような
双眼でした。


今週彼女は休みました、抗がん剤治療が苦しい可能性もあると、
その時は申し訳ありませんと、


今は彼女の回復を祈り続けるしか無い私です。



もう棺桶に片足突っ込んでいる私が祈っても、真剣に断られる
でしょうが、祈らずにはいられない、そんな心境です。


癌の報告にいらした彼女の瞳が、この冒頭の詩を思い起こさせ
ました、


この詩に籠っているのは、祈りなんだと・・・・、