映画と時間と錯覚と
ウエストサイドストーリーというミュージカル、今でもブロードウエイでヒットしていると聞きました。
思い出します、53年くらい前です、そこは丸の内ピカデリーというロードショー劇場、ミュージカル「ウエストサイドストーリー」が上映されると言うので、学校では大騒ぎでした。
何故、大騒ぎだったのかは覚えて居ません、しかしそのミュージカルが、とても面白いと評判だったのです。この頃娯楽と言えば、映画とパチンコ(高校生は駄目)、そしてチャンネルが増え始めたテレビでした。
私は一人で、このミュージカルを見に行きました、16歳の時です、たしか・・・。
確か、朝の十時に初映で、私はその時間に行きました。驚き、桃の木、サンショの木、ブリキにタヌキに蓄音器、など、当時の驚いた感じを表現したものですが、いや、驚きました。
私はその初映から続けて4本、見てしまいました。一歩も映画館から出ないで、当時はそんなことが出来たのでした。ダンスのすばらしさ、歌の新鮮さ、どれも驚きでした。
しかし・・・・、一番驚いたのはこのことでした。
I君 ウエストサイドストーリーって、たった一晩の物語なんだ。
私 え~!!、そ、そんな馬鹿な・・・・・、
I君 良く思い出してご覧よ、トニーがマリアと逢って、その翌日には殺されたんだぜ
私 そういえば、そうだなあ、と。私はストーリーより、歌とダンスしか見て居なかったんだ
一日に4本も見て、全然それに気付かなかったんです。
あっという間の4本、でも一本は2時間以上有ったと思います。何て短いんだ、あの社会の先生の授業の長いこと長いこと、でもたった50分くらいだよなと。
たった一晩の物語、それを二時間以上掛けて映していた、この短さは何だと、まさにそれは、映画と時間と錯覚でした。
好きな映画は短い、それは多分錯覚だろう、そして時間はその面白さに反比例する、この4本の映画、私には睡眠感覚よりも短かった。
失礼しました。
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