抽象絵画もいろいろです。
小さな子がクレヨンかなんか与えられると、こんな絵を描いてくれる。
これは、かなり熟達した絵と思いますが、何か景色を見ながらも、描いているのはこの子の心象風景に違いありません。
犬が二匹いる、太陽も、その下はお母さんか、家には弟が居るのかもしれない、右は友達だろうか、多分これが今のこの子の世界そのものだと感じる。
まだ、上手く描こうなんてことは思って居ないと感じますが、この自然に発色された画面全体が素晴らしい。
さて、以下の絵は、アートビリティという団体が主催している、自閉症とか心を外に出せない人達の作品です。何をお感じになるでしょうか、実に多彩な色使いをされていて、それに私は、包み紙のような美しさを感じます。
私の知人が、このアートビリティの審査員をしていて、その彼等の多才ぶりにはいつも舌を撒いている、こういう色使いは出来ないと。
これらの絵は、彼等彼女らの頭の中、つまり心象風景です。心に浮かんだ何かを表現しているのですね。絵を描いている時は、無我夢中だそうです。
私の絵が、絵だというのなら、それは景色をコピーしただけとも言えます。コピーするだけなら、そこに本物の景色があるのですから描く必要もないのかもしれません。
このアートビリティの彼等彼女らの絵は、分類すれば抽象画なんでしょうが、観ているだけでほのぼのする私です。
ところで、今回の川崎絵画展の特選はやはり、どう見ても私の実力ではとても理解出来ない「抽象画」でした。特選以外の数点も全部似たような印象でした。
このアートビリティの彼等のような分かりやすさは有りませんでした、私には、です。
よせば良いのに私は、絵画展関係者と思われる女性に、素朴な質問をしました。あの絵、貴女は分かるのですか?と。そうした彼女は素直に、全然!!と、笑顔で手を振りました。
審査の先生がお一人で選んで居ましたの、それで決定でした。
それで良いのですか?と私、彼女は首を傾けてうーんとうなり、分かりませんと。
そんなもんですね、そうやって物事は進んでいく、彼女は何か考えたのかも知れません。
失礼しました。
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