水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

病の後先

グリソンスコア9、ステージ3~4、余命2年ですね。


ちなみにこのグリソンスコアとは、前立腺癌の悪性度を計る数値で、10が最悪です。ステージのことはお分かりかと思いますが、ステージ4は、全身転移という場合が多いです。



この宣言をされたのが、今から1年と10ケ月前、平成28年5月でした。


病の後先、貴方の寿命は後二年ですよと、宣言された後、宣言される前では、私の気持ちはどう変わったのかと問い続けて来たこの二年でした。


先に結論から言います。


余り変わらない、むしろ生命力が強く成った、これが私の素直な感想です。




宣告されたその瞬間は、かなりショックを受けたと思って居ますが、私にはいつもそれどころではない!!という気持ちが常に勝って居ました。


お前は、命より大事なものが有るのか!!と問われそうですが、そしてそれを命と比べたことも無いと思って居ますが、私には有りました。


それは、明日の給与、明日の支払い、そして会社の将来でした。


その時私はこう思って居ました。
「分かりました、余り命は無いのですねと、でもそれはそれで、私はそれどころではないんですと、18年前にゆえ有って引き継いだ小さな会社が、もう直ぐ立ち直るんです、もう直ぐなんです、有り得ないと銀行からも思われて来たのですから、そんな会社が再生するんです」


命さん、もう少し待って貰えますか、後3年いや贅沢言えば後5年いただければと、真剣に願って居ました。これは命を長柄えたいというお願いでは有りません、ほんのもう少しお願いしますくらいの気持ちでした。



その余命宣言から後二カ月で、2年を迎えます。それがどうしたということかも知れません、でもこの宣言により、それからの私の日々がより緊張をしたことは事実です。


この40年、さんざん妻に迷惑を掛けて来た私が、死んで尚、妻に債務を残すことなんて考えられないのでした。つまりそれでは死んでも死にきれない、それは大変に強い想いでした。


病の後先、私は余命宣言を受けた前より、宣言を受けた後の方が生き生きと生きているかも知れません。そして、会社もこの病のお陰で再生出来る、そんな強いエネルギーをいただいたと思って居ます。


失礼しました。