水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

母と妻と娘と しじみ汁

倒産する前の会社は、山中湖に別荘を持って居ました。山中湖から山の方へ歩いて10分くらいの、緑豊かな環境でした。


☆こんな感じの別荘でしたかね、倒産と共に何処へでした。



初めての子をお腹に宿した妻と、それを気遣った両親と共に、夏休みに訪れました。初めての子、それが今の娘で40歳ですから、もう40年以上も前のことです。


朝の山中湖、私は釣りに向かったのですが、岸からでは無理だったのか釣果は有りませんでした、しかし足元を見ると、何やら貝がうごめいて居ます。


それが「しじみ」でした。山中湖のしじみ、聞いたこと有りませんでしたが、おそるおそる手に取ってみました。見事なしじみでした、そして誰も取らない、というか知らないのでしょう。


私は夢中でしじみ取り、いろいろな道具が有った訳ではないので、面倒でしたがそれでも家族4人の味噌汁には十分でした。



それを持ち帰った私に母は言いました、しじみはね、お腹の子には凄く良いんだよと、別荘の朝は、異例のしじみの味噌汁朝食となったのでした。


今も娘を見ると、心の中で、このしじみの味噌汁を思い出します、その時の母の笑顔と共に。


母は、娘が産まれたことを本当に喜び、しかしその数年後には鬼籍の人と成りました。


誕生する命と、それを愛しながらもこの世を去る命、そのコントラストが私の心にくっきりと刻まれて居ます。


失礼しました。