水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

死を見つめる心 5

まおさんのステージ4は、本当の末期だったのだと思います、その壮絶さは私でも想像が出来ません。


ましてやブログ上ですが、笑顔を出し続けるなんて出来ないと思います、私も、娘のような歳の彼女に沢山励まされました、本当にありがとうございました、安らかにお休み下さい。


末期に本当も嘘もないのだとは思いますが、同じステージ4でも、その癌が最初に何処に発生(何癌か)したものかで予後が全然違って来ます。


このことが自分が癌になって、分かったことです。


癌は何処に発生したかで、その性質が異なるのです、これは意外と知らないことです。そして隣人と自分が同じ癌に掛かったとして、その進行は全く違うのです、中にはその癌が消えてしまう人も居ます。



岸本氏の癌は、あごの下、首の横辺りと書かれているので、喉頭がんであろうと思われます。余命半年、しかし岸本氏は、それから10年を生きるのです。


その10年の物語と、考えの変遷を描いたのが、この「死を見つめる心」です。



エリザベス・キュープラロス(精神科医)に、受容の5段階が有ります。人が死を受け入れるまでの心の変遷です、多くの患者が、この5段階を経て死を受け入れるようになると言うのです。



先ず初めに「衝撃」が起こります。
1.否認と隔離
2.怒り
3.取引
4.抑うつ
5.受容


真っ暗な大きな暗闇のような死が、その口を大きくあけて迫って来る前に、私は立っていた。私の心は、生への執着ではりさけるようで有った。私はもし、自分が死後の理想の世界を信じることが出来れば、どれほど楽だろうと思った。


生命飢餓状態の苦しみを救うのに、それほど適切な解決方法はない。死後も、生命があるということに成れば、激しい生命飢餓の攻撃も、それによってその矛先をやわらげるに相違ない。


岸本氏は、生命飢餓からの攻撃に、素手で立ち向かおうとしたのでした。この気持ちは、キュープラロスの言う、1.否認と隔離、とは一線を違えているかも知れません。


しかし人は多く、死の淵を垣間見た時には、先ず衝撃を受け、そして1.2.3.と進んでいくのだろうと、でも5.の受容に辿りつくのかどうか、それが早い人遅い人は、いるのだろうと思います。


私はまだ、1.の段階にいると思って居ます。そして出来れば、2.~4.を飛び越して5.に至りたい、これが私の僅かな我がままです。


失礼しました。