水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

妻の糠床

妻の嫁入り道具の中に、糠床がある。しかし、それをちゃんと知ったのは、そんなに古いことでは有りませんでした。



糠床って、管理が大変よねえ、毎日かき回さないとカビが生えたり、変な匂いがしたりと嫌よねえと、ファミレスで隣の奥様達が騒いでいました。


毎日かき回す!!、何だそれって・・・・、と


私は聞き耳を立てて居ました。




妻は、毎日かき回しているのか、いや、そうは思えないし・・・と。


帰って、妻に聞いて見ました。


案の定、妻は、そうねえ、と。


もう半年もかき回していないわ、大丈夫かしらと、タッパウエアーを床下から取り出したのです。


そして蓋を開けました、糠みその匂いが部屋を占領しました。あまり好きではないこの匂い、構わずかき回し始めた妻、全然大丈夫ねと、ご満悦でした。


これ、母から貰って来たのよ、だからもう40年以上、もし母が祖母から受け継いでいたら80年かしらと、歴史の話を始めて居ました。



その糠床、今は私が管理しています。何でか分かりませんが、そうなったのです。


管理と言っても、何にもして居ません。何にもしなくても全然腐らないのです、カビも出ません。おそらくこのタッパウエアーという優れもののせいだと思いました。



妻とは40年ですから、もし祖母からの糠床とすればもう120年ですね。


それがどうした、ですが、何と言っても、この糠床で付けた野菜の美味いこと、この上ありません。ご提供出来ないのが残念です(笑)



この糠床、沢山の人生を見て来たのだなあと、時折、糠床と会話をしています。そうだね人生って「物語」だねと、糠床が応えはしませんが、ふとそう思いました。


沢山の物語、それが人生なんですね。