PSA再燃
昨日は一か月検診でした。
私のような末期患者は、この表題のことがいつも頭から離れません。
PSAとは、癌特異抗原の数値です、この数値の上下が、癌がおとなしく
しているのか、活動を再開したのかの基準と成ります。
ホルモン療法、これが現在の私の唯一の治療方法です。
ホルモン依存している癌が、ホルモンを断たれて死ぬ想いをしている
そういう環境がこの三年続いて来ました。
しかし昨日の数値は、それが覆ったのかと思わせられました。
主治医は、もう少し様子を観ましょうと、結構のんびりして居ました。
ホルモンを断たれた癌は、いつの日か自らホルモンを創りだすのです。
自分の食料を、自分で生産を始めるなんて、何とも考えられないこと
ですが、このことを「再燃」と呼ぶのです。
この再燃、馬鹿には出来ません、今まで鈍行だった汽車が、新幹線に
変わるからです。
さて、いつも思っていることが有ります、それは癌で死ぬことの怖さ
です。
何が怖いのか、それは分かりませんが、死刑を宣告されていつ刑が執行
されるのか、その間の待ち時間のような気持ちのこと、でしょうか。
一方では、癌に掛かって良かったと思う心も併存して居ます。それは、
ここまで緊張しながら日々を過ごすことは無かったからです。
この緊張が、廃業寸前の会社の再生力に繋がっている、これも間違いな
いと感じて居ます。残された時間は少ない、一日一日が本当に大事だ!
という迫った気持ちです。
出来れば、癌が寛解し、明日の恐怖を味合わないような人生を歩みたい
そんな欲望も頭をかすめます。
でも、この今の人生を選んだのも私自身、トータルで見れば、これで良い
と思っている心を、自身で垣間見て居ます。
お前はお前で丁度良い、死ぬ時さえも丁度良い、と、お釈迦様の言葉が風のように吹き過ぎました。
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