水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

死を創る人々

リビング・ウイルからです、縁起でもないことかも
知れませんので、お好みでない方、スルー下さいね。


まだ若いお母さんが進行癌に侵されました。


そして癌が転移し、もう予後は難しいと分かった
時ご主人は、やっとの想いで奥様に告げたのです。


☆以前に描いた、娘の家の近く、内房総の海岸です、打ち寄せては引く波、でも大震災の時はこの海岸まで津波が押し寄せたと聞きました。



それに対し奥様が言われました。


「ありがとう、ありがとう、よく話して下さったわね
可愛そうに、さぞ辛かったことでしょう。そうだった
のね、いろんなことがそれで分かって来るわ」


そしてこう言ったのです。


「私の人生はこれからが本番なのだ!!」


これまでの一切は、これからの良き準備だったのだと
書いたのです。


私の人生はこれからが本番なのだ、とは、
自分自身の人生を一つの物語として捉え、


これからは意識して最後の章を書いて行くんだ!!という
決意なんだと。



彼女はまだ40代、子供達もまだ大人では有りません。


彼女は二児の母として、妻として、女性として、
残り少ない日々を懸命に生きたのです。


でもそれは、少しも変った日々では有りません、
ごく普通の日常を生きたのでした。


何気ない今日の一日は、特別な一日と心に刻みながら・・・、



それを彼女はこんな言葉で表現しています。


「それでも私は、リンゴの木を植える」と


これはマルチンルターの言葉で、
「たとえ明日、地球が終わりでも私はリンゴの木を
植える」というものです。


明日、自分は亡くなるかも知れないけど、例え
今日一日の命で有っても、命の永遠性を信じて、
リンゴの木を植えるというのです。


死の宣告を受けた時、ありがとうと言う彼女、
辛かったでしょうと夫を気遣いそして・・・、


これからが私の人生の本番なんだと


自分の死を創るとは、悲しい言葉にも聞こえ
た私ですが、いや、そうではないのだろうと、


今は思えます。