水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

100歳のピアニスト

正確には100歳になるピアニスト、もうすぐ100
歳の女性ピアニストのコンサートを放映していた。


実は、この時私は後ろを向いていた、爪を切っていたから(笑)


耳は空いていて、テレビの音は入って来ていた。


突然のピアノ、ああこれはエリーゼの為に、だと
何とやさしい音色なんだと、爪を切るのを止め、
身体を反転させたのです。


エリーゼの為に、昔昔その昔、それを弾きたくて音符に向かい合った
曲、初歩的な曲なのですが、それを奏でていた、


そしてその音色が何とも優しいのでした、と、今度は「月光」
に変わったのです。


画面には、年齢を重ねたであろう女性がピアノに
向っていた、


この人がこの音色を導きだしていたのか、と


これはニュースの話題の中だったので、このあと
直ぐに彼女へのインタビューに画面は変わった


もうすぐ100歳よと彼女、ちょっと背中は曲がって
いたのですが、シワも少なく髪の毛は真っ黒で、
なんだ、俺よりわかいじゃん!!って


思う程につややかでした。


曰く
ピアノって、音そのものがものを言うのねと
変わって来るのが分かったの、と


それはタッチのことだろうか、彼女の感覚のことなのか
それは分からないが、


爪を切っている私を反転させた音色に、彼女の言葉が
重なったのです。


そうなんだ、音色そのものは生きているんだと、
それが耳に心に飛び込んで来るんだと


ものを言うとは、そういうことなんだろう、と



コンサートに来ている人達の顔が映された、その笑顔達
を見るだけで、何も言うことはないと思った


100歳のピアニスト、いやもうすぐ100歳の彼女の
演奏に、人生の深さを感じざるを得なかった私です。