私の仕事の道具です、正式名は分かりません、通称シミヌキヘラです。

シミヌキヘラと言っても、いったい何をするもの？と思われるでしょう。ヘラは、薬剤と溶剤をなじませるものです。何だと思われるかも知れませんがこのステンレスヘラは、実によく馴染ませられます。

力加減も大事なのですが、それは経験と思います。この丸い先の所で、シミが付いた繊維をコチョコチョとくすぐるのです。そうすると、薬剤が浸透します、油性の薬剤なら、油分を分解します、その前にこれでコチョコチョやっておくと何倍も薬剤の効果が違うのです。

このヘラ、もう、３０年以上は使っているでしょう、私の前の前の責任者からですから・・・、不思議と無くならないのです、他に象牙のヘラ、プラスチック製のヘラ、さまざまに試しましたが、このヘラには敵いません。

CISSELLと書かれています、これはドイツのシミヌキ機器メーカーの名前で、そのシミヌキ機を買った時に、付いていたものですね。そのシミヌキ機はとっくの昔に、廃棄となって居ます。

私のお気に入りの、ステンレスヘラ、いかがでしょう。水彩筆とか言いたかったのですが、やはりこれ、です。