水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

垣間見える晴れ間

昨日は一か月検診でした。


よく、こんな天気が有ります、自分の後を、晴れ間が垣間見えるような天気です。



私の父は、私と同じ病で逝きました、21年前のことです。その頃、この病に掛かりますと手の施しようが無かったのでした。


ホルモン依存性の癌、まさにこの癌はアンドロゲンという男性ホルモンが食料なのです。ですので、それが癌まで行かないように遮断すれば、癌は小さくなり、もしかしたらやがて消えるかもしれないのですが・・・・、父の時代には、そんな薬は有りませんでした、やれることは去勢でした。


ところがどっこい、癌も自分が生きるためには頑張るのです、何を頑張るのか、それは自ら自分の食べ物を生産開始し始めるのです。つまり自給自足(笑)、です。この自ら生産する段階に達すると、ステージ4となり、病名も去勢抵抗性癌と呼ばれます。


身体の中で、こんな追いかけっこをしている、誰かこれを観た人がいるのか、いや、居ないとは思いますが、この自給自足が始まると、病は勢いを増し始め、結果身体のあちこちに転移し始めて、自らの兄弟達を何も知らずに食べ始めてしまうのです。



2014年に、新しいホルモン剤がアメリカで承認され、2016年にそれが日本で承認されました、承認とは、保険対応になったという意味です。


それは私が余命を告げられた年でした、その年に、この薬が販売?されたのです。大雨かなと思った曇り空に、にわかに太陽が射し始めた、そんな感じでした。


それから二年半、このホルモン剤の中央値(効き目の平均値)は約一年半です、つまり癌はどんな薬にも、いつしか抗生を持つのです、でも、二年半も続いてくれたのです。そろそろかなと思いながら、昨日の検診に臨みました。



そうしたら余り話をしない先生が、〇〇さんこの5月に、新しい薬が承認され薬価も決まりました。これは貴方の病専用と言っても良いかも知れません、同じホルモン剤なのですが、効き方が違うのですと、この薬を使って見たいのですが、いかがですか?、と。


おお、また後ろから晴れ間が垣間見えると、そんな実感を持ちました。


でも、〇〇さん、これを使用(保険使用)出来るのは、ある制限が有ります。その為に近いうちに画像検査が必要に成ります、大丈夫ですか?。


先生、お願いします・・・・、お願いしますと、二度返事した私でした。


私も少しは良い患者になったのかなあ、関係ないかと、少し優しく感じた先生に心の中で感謝を伝えました。


嵐後大雨、そして雨、でも突然、後ろから垣間見える晴れ間を振り返り、不思議な気持ちになった、梅雨の晴れ間でした。