水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

そこに私は、崇高な姿を垣間見ました。

私達が佐賀から帰って来たのは火曜日でした、その翌日から空港第二ターミナルは
断水しました。一日違いでしたが、運が良かったです。


いえ、このことでは有りません。


空港の掃除のことです。それもたまたま出くわした姿でした。


★写真はネットからです。



以下、トイレ掃除のことです、不快な感じもあるかも、そんな場合は
スルーして下さい。


これが本当の「おもてなし」、そう思いました。


そこは第二ターミナル男子トイレ(失礼)、結構満員でした。


横10列くらいの小便器、そこは満員だったのですが、
ふと見ると、真ん中辺りの便器に向かって座り、一生懸命ゴシゴシ
している婦人がおりました。


ブルーの制服を着て、全身重装備です。私はたまたまその隣に立ちました。


見るとは無しにみてしまいました、その掃除ぶりをです。


そこまでやるか!という掃除ぶり、いえ、そこまでやるのです。


おしっこが当たる所から流れるところ、そこにはゴミが詰まるのを
防ぐ網目状の蓋があるのですが、彼女は丁度その蓋を取り除き、蓋
を取ったその中を掃除していました。


そこは精神的にも目をそむけたくなるような景色です。そして他人
が汚したところ(当たり前ですが)を、全く物怖じもせずにゴシゴ
シゴシゴシ、でした。


その10列の小便器は、それは見事に美しく、いわゆる酸による黄
変などは全くありませんでした。


私は終わったあとも、しばらく凝視していました。



何故か、昔昔私もこの掃除をやったことが有ったからです。その頃の
私は、冗談じゃない何でこんな掃除をしなければいけないんだという
気持ちで掃除をしていました。


そして、ゴミの詰まるその蓋を開けて掃除することは、思い出せば、
結構勇気の必要なことでした。もっと言うなら、どんなに指示命令
されていても・・・・、


心の中に崇高な気持ちが宿っていないと、出来ないことなのです。


ここを利用する方々が、不快な想いをされないようにと真剣に思う
こと、これが無いと出来ないのだと、私は記憶を取り戻しながら、
その掃除の姿に感動を覚えました。


ありがとうございましたと、トイレを出る時、心でお礼を伝えました。



羽田空港の清掃管理は、世界一と聞いて居ます。その一編を垣間見ました。


でも思ったのです、この清掃を実現させた力は何なのかと、おもてなしの
極限のようなこの力は、やはりメンバー達の、リーダーの「愛」なんだろ
うと。


普通の気持ちでは絶対に出来ない掃除、その姿に、私だけでなくそこを通
り過ぎた男どもの心は、さぞかし清々しくなったであろうかと。