水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

裏を見せ 表を見せて 散るもみじ

この句は、良寛和尚の句とされています。


以前のブログにも、掲載いたしました、有名な句なのでご存じの方も
多いかと存じます。



私達の人生は、多くはこの句の正反対を生きているなあって、感じます。


言い変えるならばこんな感じです。


裏かくし 表を揺らし 散れぬ葉よ



死ぬ時に後悔することの20項目なんて、本が有ります。


看取り専門のお医者さんが書かれたもので、死に行く患者さんの
無念、つまりこのままで死ぬのは辛過ぎる想いを書かれたもので
す。


その中の一番が、本当の自分と向かい合わなかったこと、いや、
向かい合えなかったこと、だったのです。


ドロドロとした胸の内、そこには自分だけが可愛いという強い自我
が巣食っています、それはまるで、ステージ4の癌のようにです。


取り去ることは出来ません、それが人間が生きるエネルギーの基だ
からです。


しかし、そういう心があると、巣食っているんだと気づくことは出
来る、この頃そう強く感じます。


その心を気付かせてくれたのは私の場合、病です。あと数年の命で
すと宣言されて、焦りまくったのですが、その内この病と付き合っ
て行く内に、自分の周りの空気が澄んでいくことに気づかされまし
た。


裏を隠して表を揺らして生きてきた人生、それは曇りガラス越しに
景色を見ているような人生でした。


かっこよく言えばこれでは、死ぬる瞬間に、ありがとう!!って言
えないじゃないかと、思ったのです。


ありがとう!!って言いたいよな俺は、まだ間に合うよな、曇りガ
ラスを取り換える時間はあるよなって、思いました。



良寛さんも、全くこの句のような心となられたのかは知りませんが、
少なくも、人生で一番大切なことに気づかれて、笑ってこの世を去
られたのかと想像して居ます、生意気ですみません。



令和二年の初心でした。


今年もよろしくお願い致します。