水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

君の人生じゃないか!!

一生と言う言葉、英語では ライフタイム と言うそうです。


一生、一つの生、人生の時間


日本語らしいなあって



昔昔、息子の話です。


息子は、成績はどん尻、多動児、小学校の時は
家の玄関に、菓子箱を買い置きしているような
状態でした。


怪我をさせた彼の同級生に謝りにいく為のもので、
その都度買っていては間に合わなくて、
買い置き(笑)して居ました。



どんな育て方をされて来たんですか?、これは
面接に行くと言われる常套句でした。


私はそれを聞く度に、変な質問を平気でされる教師と言う
生き物、そう感じて居ました。


そうなんです、私にとっての息子は、極めて普通、いや
素直な子でした。


でもちょっと生きづらいか、それは感じて居ました。


菓子折りを持参し謝りながら、息子は悪くないと信じて居ました。



そんな息子が来年はもう高校受験という年になった頃、三者面談
が有りました。


その前の日、私は息子と話をしました、お前どこか行きたい高校
は有るかと?


私は無いと思って居ました、ましてこの成績では望む方が贅沢だと
いわゆる偏差値は最低で、入れる高校はあるかないかという世界
でした。


あるよ、ここへ行きたい!!


これには驚きました、先ずあるよに驚き、そのレベルの高さに驚愕
私は笑っていたと思います。


でもなあ、あまり自分の意志を現さない彼があるよ!!と言ったこと
これは尊重せねばと、私は三者面談に臨みました。


良いですよ~、何処を受験するかは自由ですから~と、その担任は
楊枝で爪の垢を取り始めたのです、ガーン!!


私は冗談でなく、机をひっくり返そうと思ったのです。この先生の
下で、息子は授業を受けて居たんだと・・・・、



でも、その高校はとても入れるレベルではない、時間もあまりない
さあどうしようと毎晩カミさんと話し合いでした。


そして、友人のつてを経てある、若い先生を頼みました。彼は韓国の
青年で、NHKの韓国語教師もしている人でした。


だいたい息子は、誰とも上手く行かないのですが、今度はちょっと
違いました、自分で行きたいところがあると言ったからでしょうか


ある日、先生が教えている声が聞こえて来ました、部屋は二階に
あります、普通はとても聞こえないのですが、その時ははっきりと
聞こえて来たのです。


ひろき君(息子の名前)!!、君の人生じゃないか!!、君の一生
じゃないか!!と


それは優しく優しく、しかしダイレクトに響いて来たのです。


こんな先生がいらっしゃったんだと、私は何故か安心して居ました。


息子は受かりました、合格発表の掲示板を見ながら彼は泣いた
のでした。



先生に電話しよう、そしてあの楊枝で爪の垢を取って居た先生
にもな、と。


一生、一つの生、それを司れるのは、本人だけです。


その一生を、どう受け取り展開して行くのかそれも本人です。


でもその前に、君の一生じゃないか!!と、家中に響くような
声で教育されたことは、どれくらい彼の琴線を共振させたかと
改めて感謝しました。



ふと、自分の一生を振り返り、そして残り少ない未来を見つめて
いる今の私、君の人生じゃないか!!、君の一生じゃないか!!
と、あの言葉が、心から声が響いて来たのです。


ありがとう!!、息子よ


先生よ