ああ、面倒くさいなあ
しばらく前の話です。
ある日の会社帰り、自宅の近くを歩いていた時です。
道の向こう側を、年老いた女性が足元をふらふらさせてやっと歩
いて居ました。
★写真はネットからです。
その時私は、こう思ったのです。
お願いだから、俺の前で倒れないでくれよって、そうなったら助
けなくてはならないから、面倒だからって(私って情けない!!)
こういう願いは叶うことが多いのです、その女性は歩行補助車を転
がしていました、その補助車だけが前に進み、女性はよろよろと道
に倒れたのでした。
ああ、だからいったじゃないか、俺の前で倒れるなって・・・・、
でも、そんなことは言ってられないのです、私は直ぐに駆け寄りま
した。大丈夫ですかと耳の近くで声を掛けました。
彼女は、小さな声でう~んとうなりそして、起き上がろうとしました。
私は彼女の肩を抱いて起こし上げて、彼女に肩を貸しながら一歩ずつ
歩き始めました。
大丈夫ですか?と声を掛けながら、少しづつ話をしたのです。彼女は
ありがとうございます、ありがとうござますと言いながら、
私はすぐ近くの天理教分教会の者ですと、ますます小さな声で伝えて
来ました。
ああ、あの教会の人、いつもその近くを私は通りながら、天理教かあ
って思っていたその教会でした。
天理の始祖、中山ミキ氏のことも聞いていました、今は伝説となって
いて真実はどうだったのか、裁判官の前で空のコップに水を溜めた話
は、天理の信者の語りぐさになっているとか。
なんてことを思いながら、彼女を分教会まで送りました。
別れ際彼女は言いました、ありがとうございました、貴方には幸運が
有りますよって。
幸運かあ、それが末期癌か?って、でも関係ないか、それが幸運かも
知れないしな。
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