心移ろう季節
俳句の季語の世界、春の山を「山笑ふ」という。
芽吹きが始まって花が咲き始め、鳥が美しく囀り始める、
そんなほわほわっとした明るい山を「山笑ふ」というのでしょう。
夏の山は、「山滴る」。木々の葉が茂って万緑になり、その緑が
にじみ出るような、滴るような、そんな夏の生命感に満ちた山を
「山滴る」というのですね。
秋は山が紅葉する。日本は特に楓が赤くなり、その他の葉も黄色
くなったりして、とても美しくなるのだが、その様子をまるで山
がお洒落をしているかのようなので、「山粧ふ」なのです。
山がおしゃれですか、これが日本人の感性でしょうし、日本語な
らではですね。
そして冬になり、木々が葉を落として静まりかえった山を「山眠る」
という。こうやって見てみると、その自然を擬人化し、非常に人と
自然が近しい関係にあるということがわかります。
★以前に掲載した、コスモス、秋の象徴ですね。
春に笑い、夏は滴ると、そして秋は粧う季節と、冬は眠るとは・・・・、
これから厳しい冬を迎えます、昔の人々は尚更、この冬の厳しさを実感して
きたことでしょう。
だからこそ、心の中で、大自然の移ろいをこのような言葉達で彩ったのかと
思います。
ふとあの真夏の暑さを想い起し、早くもっと涼しくならないかと願った私で
したが何のことはない、寒さにちょっと震えながらあの夏が懐かしくなって
居ます。
勝手だなあと、もうすぐ山眠る季節が来ます、心も移ろいます、いっそのこ
と山眠る冬と一緒に眠りたい、そうも行かないか(笑)
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