水彩画 徒然なるままに

自然の光と影を求めて、水彩画を描き始めました、そして懐かしい思い出もと思いました。しかし、ただの自己満足です、興味のある方はどうぞ

真夏にふさわしい話を一つ

これは私の体験です、体験そのものは金縛りなのですが、その後に、結構ぞーっとすることが起きていたのです。



その頃私は、あるマンションの7階に住んで居ました、私は、時折変な感じを持つような多分弱い霊感のようなものが有るなあと、自分でも感じて居ました。


有る明け方私は、強烈な金縛りに遭いました、布団の上に誰かがしがみついている、その両腕が私の身体を締め付けているのです。


私は身動きが出来ませんでした、そして時間的にはもしかしたら数秒だったかも知れませんが、すーっとその力は抜けて行ったのです、私は汗びっしょりでふーっと息を出しながら起きました。



それが朝の5時前でしたでしょう、その時、玄関のチャイムが鳴りました。ピンポーンって・・・、何だ、今頃、私はこの音に結構びびりました。何かが来た!!、そう思ったのですが、良く考えれば、チャイムを鳴らして入って来る霊っていないですよね。


私はおそるおそる玄関を開けました、小窓から、そこに立っている人が警官で有ったことも分かったからです。


警官は敬礼しながら、こう聞いて来ました。


どなたか、居なくなった人は居ませんか?って


実に変な質問をしたのでした。


何だろうか、誰か失踪したのだろうかと私は、玄関を開けて、マンションの廊下から中庭を見下ろしました。


何と!!!!!!!!、その中庭に、一人の女性が倒れているでは有りませんか。


そうしたら警官が私の耳元でささやきました、どうやらこのマンションの屋上から飛び降りたらしいのです、と。


屋上って、私の部屋のすぐ上じゃないか、うちの天井の上じゃないかって、私は身体がゾクゾク震えはじめたのでした。


挨拶に来た?って、これから私飛び降りますよって、いや違うな、飛び降りた後に、ご迷惑を掛けましたと、挨拶に来たのかと(笑)


それはどちらでも良いことで、そしてその倒れていた女性が仰向けで、7階から見下ろした私と、何故か目が合ってしまったような錯覚も起き、これも金縛りものでした、そして彼女は非常に美人さんでしたね。


何で死ななくてはいけなかったのか、それを今更問うても仕方が有りませんが、後で警察の方がこのように説明をしてくれました。


遺体の方は、隣のマンションのご住人でした、隣のマンションは屋上には出られなかったらしく、こちらのマンションにやってきたとのことでした。


選ばれちゃったんですねえ、それから暫くの間私は、その中庭に向かって何処のどなたかは知らないまま、彼女のご冥福を祈りながら、手を合わせ続けたのでした。幸い、それ以降の金縛りは起きませんでしたが。